JPN Original, ジャケ在り(帯在り・美), Originalライナー+インサート(黄ばみシミ在り),
B4に軽微な表面スレ在るがキレイな部類
超久々、10年半以上ぶりの再入荷は日本盤。
超問題作。
作品の内容そのものではなく、このAlbum自体、つまり盤自体が問題作。
Solarの12"群を買うと、'80年くらいまでの初期作、
例えばShalamarなんかはRCAのレーベルジャケになっている。
これは'81年くらいまで、SolarはRCA配下だったからで、'81年以降'86年くらいまでは、
Elektra配下だったから、その間の12"はElektraのレーベルジャケでリリースされた。
で、'87年と'88年には更にCapitol配下となり、'89年からはEpic配下となってゆくのだが、
'86年作のSolar盤には、既にElektraではなくCapitol配下でリリースされたと思われるLPが3枚存在する。
レコ番はST-72550、ST-72551、ST-72552の3枚。
(ちなみにST-72553は、LakesideのAlbum"Power"で'87年)
それぞれ、Dynastyの"Daydreamin'"、Cat Miller唯一のAlbum、そしてBabyfaceのソロデビューAlbumだ。
3枚全てに共通しているのは、極端にプレス枚数が少ない事。
ほぼ1回だけのプレスしか行われずに即廃盤扱いだったのではないかと思われる。
特にヒドイのはこのDynastyの"Daydreamin'"で、
CatのAlbumにはCapitol配給である旨のクレジットがあるが、
この盤には、ジャケにCapitol Studioでレコーディングしたというクレジットがある以外、
ディストリビューションに関するクレジットが全く無い。
想像するに、この盤は、SolarがElektra配給からCapitol配給へ移行する際の混乱から、
本来なら、世に出ずお蔵入りとなるハズが、制作自体は終わっていたので、
とりあえず1回だけプレスして、正規盤としてリリースはしたものの、即廃盤扱いとなったと思われる。
でも、こ〜して日本盤が存在するから不思議。
まだ続きがある。
で、このAlbumは、即廃盤となった後に、なんと'88年に再発されるのだ。
しかも、ジャケはこの"Daydreamin'"と同じなのに、Titleは"Out of Control"と変更され、
収録内容も半分ほどが新たに録り直したモノへと変更されてリリースとなった。
ちなみに、CatのAlbumは即廃盤のままだったが、
BabyfaceのデビューAlbumも、'89年にEpic配下で再発されている。
この盤の珍盤っぷりが群を抜いている事は十分解ってもらえたと思うが、
内容の方は決して良いとは言えない。
Too Muchなくらいに電子的だ。
CatのAlbumと同じように、LA-Babyface、Bernadette CooperにJoyce Irbyと、
野心家がProduce陣営に顔を揃えた分、
Sylvers直系としての、本来のDynasty色は大きく失われてしまっている印象。
後に"Out Of Control"にも再収録される、Nidraが前面に出た"Tuff Love"と、
逆に"Out Of Control"には収録されずに、この盤でしか聴けない、
Midnight StarのBo Watson作の"Freeway Lover"あたりは悪く無いとは思うが、
やはり全盛期のDynasty作品群の完成度の高さとは比べモノにならない気がするね。
【仕様はDiscogsでチェック】
https://www.discogs.com/release/6164309
【音はYouTubeでチェック】
https://www.youtube.com/watch?v=I-zHPRh-b3o (Tuff Love)
https://www.youtube.com/watch?v=TRI3BNWJ9xk (Freeway Lover)