US Original, ジャケ在り(小さな切り込みCut在り), ごく軽微な表面スレ在るが非常にキレイな部類
お待ちど〜さま!の再入荷。
Q-TipがJ.Dillaと共に、ProductionチームとしてThe Ummahを名乗り初めたのは、
ちょうどATCQの'96年のAlbumくらいからだったように思う。
以降、この2人に感化された、新しく、独創的で、芸術性の高い音作りがHip Hopシーンのトレンドとなり、
Hip Hop的なProductionは、「アートフォーム」としてひとつの頂点に到達したと言っていいだろう。
だが、同時に、この2人がHip Hopを難解なモノにしてしまった事も否めない。
洗練されたからこそ、荒削りな「勢い」は失われ、難解になったからこそ、アンダーグラウンド化が進み、
もっと乱暴に言えば、元来在ったハズの、'90年代半ばくらいまでの黄金期の「楽しさ」は大きく失われ、
結局は「Hip Hopは死んだ」という印象が、日増しに強くなるような結果となってしまった。
にもかかわらず、この2人に対する世間一般の評価は、今なお別格で、
それこそ神がかり的なHip Hop Legendとして認識されている。
暴言である事を百も承知の上で言わせてもらうが、個人的に、The Ummahを名乗って以降のQ-Tipと、
Jay Deeに対しては、その名を知った頃から以降ずっと、その存在にHip Hopを感じた事はほぼ一度も無い。
個人的に、The Ummahが絡んだProductionの数々には、はっきりキライと言えるモノは少ないのだが、
同時に、サイコーに好きだと言い切れるモノもほとんどない。
この2人はHip Hopシーンにとっては職人気質が強過ぎる孤高の存在であり、
逆に、この2人以外のHip Hopシーンの代弁者達には、DJ Premier等の少数の例外はあれど、
あまりにも「アーティスト」としての職人気質が欠けているように思う。
「難解」か、ど〜にもならない「Thugモノ」か、どちらもHip Hopらしからぬ二大勢力が台頭し、
その二大勢力のどちらかにシーンが大別されてしまったからこそ、
'90年代の終盤に「Hip Hopは死んだ」ワケだ。
Hip Hopを本当に「Next Level」まで引き上げた、Q-TipとJ.Dillaの功績は当然評価されるべきだが、
同時に、それまでのHip Hopの姿からはかけ離れた「Next Level」へと、シーンを導いてしまったこの2人は、
そうした元来的なHip Hopを愛していた者達から、非難される事があっても当然じゃないかとさえ思う。
ATCQにとってのデビューシングルであるこの曲や、
The Ummahからは想像もできないような、
ヒジョ〜にシンプルなネタ使いの"Pubic Enemy"等の初期モノを聴くと、
カッコや体裁にとらわれず、実に自由に、リラックスして、当時はNew Schoolと称されたHip Hopを、
彼ら自身が思う存分楽しんでいるよ〜に感じるのは、決してオレ様だけじゃないハズだ。
だからこそ聴いてるコチラの方も楽しめる。
このネタが何なのかなんて知らなくていい。
フツ〜に聴いているだけでも、文句無しにサイコーだと言い切れるもん。
【仕様はDiscogsでチェック】
https://www.discogs.com/release/535477
【音はYouTubeでチェック】
https://www.youtube.com/watch?v=zvh3B_MTbGo
https://www.youtube.com/watch?v=NS-03gtRDPI (Instrumental Of Fool)