US Original, ジャケ在り(切り込みCut在り), Atlanticレーベルインナー,
若干の表面スレ在るがキレイな部類
結構久々、お待ちど〜さま!の再入荷。
Dennis Coffeyと言えば、20代から30代前半の若い世代にほど、キラーBreaks、
もしくはRare Grooveとして支持されているものの、
一方で30代後半から40代、もしくは50代というシニア層にとっては、
その存在の重要性がキチンと認識されていない気がする。
「あぁ、若者に人気のRare Grooveモノでしょ?オレは'80s Funkバカ一代だから関係ねぇ〜な」
という人がかなり多いのだ。
'80s Funkを好む人達にとっては、Rare Grooveは音の「厚み」がスカスカ過ぎ、
7inchに代表されるような無名のDeep Funkは暑苦し過ぎ、
Sweet Soulは文字どおりに甘過ぎて古臭い。
オレの専門は'80s全般なので、オレも同じように、Rare GrooveやDeep FunkやSweetモノに関して、
全く良い印象を持ってこなかったし、未だに7inchのみのDeep FunkやSweetモノには全く興味は無い。
ただ、Rare Grooveに関しては、キチンとした「順序」を踏めば、
十分に'80s Funkバカな人達(失礼!)でも楽しむ事ができると思う。
その「順序」にあたるのが、'80年代にはJazz Funkと呼ばれたたジャンルのルーツである
GroovyなFunky Jazzと、'80s Funkのスタイルに直結してゆくDisco/Boogie Funkだ。
さて、このDennis Coffeyほど、Rare Grooveというジャンル分けにピッタリくるArtistも他にいないだろう。
Rare Grooveとは言っても、作品の内容そのものは、広く知られた「初めの一歩」的な曲が多く、
「レア度」的には大した事は無い。
「レア」では無いんだからRare Grooveとジャンル分けするのはオカシイと思うかもしれないが、
じゃあ彼の作品群はJazzかと言えばそうでもないし、Soulかと言えばそうでも無い。
結局、一番しっくりくるのがRare Grooveなんである。
そんなワケで、一番「レア」なのは、作品の内容以上に彼の存在というか「立ち位置」だったりする。
「Detroit」生まれの「白人」の「セッションギタリスト」というだけでも、
彼の存在と、その作品群を、どうジャンル分けするべきか悩んでしまうに違いない。
Detroitは自動車産業によって成り立っている都市であり、古くから黒人人口が多く、
言うまでも無くMotownの本拠地であり、Detroit Funkと呼ばれるようなスタイルのメッカでもある。
白人のセッションギタリストと言えば、感覚的にはJazz寄りなスタンスを想像しがちだが、
Detroit生まれの彼は、当然ながらSoul/Funk寄りのスタンスを歩んだワケで、
この辺がジャンル分けを一層難しくしている。
ただ、
「めんどくさい」から(笑)、Rare Grooveとして片付けてしまって良いほど、彼のキャリアは軽々しいものではない。
彼はなんと、あのMotown作品のバックボーンとも言うべき伝説のバンド、
The Funk Brothersにも参加していた経歴を持っている。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Funk_Brothers
じゃあヤッパリ「Soul」じゃないの?
そう、ルーツは確かにSoulだ。
だが、デビュー後(Dennis Coffey And The Detroit Guitar Band名義も含む)のSussexからの作品群には、
単なる「Motown Artistのバックバンド」的な姿は全く無い。
それこそJazzの有名な「Player」や「Musician」達と同じスタンスで、
「ギタリスト」としてInst寄りのキラー作品を連発してきた。
そう、この点がヒジョ〜にJazzっぽいんである。
Sussex時代の4枚のAlbumは、質感的にもFunky Jazzに最も近い。
若い世代がRare Groove、もしくはBreaksとして好む傾向にあるのは、
このSussex時代のAlbumだと言っていいだろう。
それが、Westboundに移籍して'75年にリリースした「神的名盤」
"Finger Lickin Good"のAlbumぐらいから「嬉しい変化」が加わる。
Sussex時代と同様に、「ギタリスト」としてInst寄りではあるのだが、
Voacalも取り入れて、よりDisco/Boogieなテイストが色濃くなるのだ。
モチロンDrum Breaks的にも良い曲はあるが、
それ以上に全体のGroove感がDisco/Boogie Funk的な事の方が特筆に値する。
そう。
冒頭に説明したように、'80s Funkバカなアナタは(笑)、
このWestbound時代のAlbumから聴き始めるのが「順序」的に一番なんだと思う。
この盤はWestboundでの2枚目にあたる'77年作。
今回放出するのは、ジャケには「Funky Soul」という書込みが在るが、総じてキレイな部類に入るお買い得盤。
書込みが示すとおりの「Funky Soul」目白押しであり、
このAlbumに収録された"Boogie Magic"という曲名が示すように 「Boogie Funk」で溢れている。
特に圧巻なのは12"も存在する(しかもAtlanticラベル!かなりレアで高額)"Wings Of Fire"で、
Breaks/House好きな人達の間では様々なRemixやRe-Editが繰り返されている。
よ〜するに、ジャンル分けではRare Grooveでいいんだが、
この盤などはBoogie Funk的にも秀作だというワケ。
シニアの皆さんもキッチリ勉強し直さないとね(笑)!
【仕様はDiscogsでチェック】
http://www.discogs.com/release/427703
【音はYouTubeでチェック】
https://www.youtube.com/watch?v=zgdEdTcnIDA (Funk Connection)
https://www.youtube.com/watch?v=YlRZ9BIvcfw (Free Spirit)
https://www.youtube.com/watch?v=wM48VRi2Cac (Boogie Magic)
https://www.youtube.com/watch?v=3r0a6kjYk5Y (Wings Of Fire)