US Original, Gee Streetレーベルジャケ, 表面スレ多いが普通の中古盤レベル
お待ちど〜さま！の再入荷。
Hip Hop史上に残る特異なグループ。
メンバーはWu-Tangの総帥RZA、既に名Producerとしての地位を築いていたPrince Paul、
そのPrince Paulと共にStetsasonicで活躍したFruitkwan、
"God Made Me Funky"で知られるToo Poeticに居たPoeticの4人。
何が特異かと言えば、
こうして、違うグループにいた者同士が集まって新たなグループを結成するという事自体が、
Hip Hop界では非常にマレなのだ。
しかも4人とも、ある程度の実績を残し、既に名が売れていたし、
RZAに至っては、しばらくWu-TangとGravediggazの両方に所属していた事になる。
この4人には、全員が一時期Tommy Boyに所属していたものの、
'94年当時には既に全員が契約を打ち切られていたという共通点がある事も変わっている。
いわば、4人はTommy Boyリストラ組なワケだ。
このグループはWu-Tang一派と見なす事が、現在ではアタリマエになっているが、
実はデビュー当時はPrince Paulに主導権が在ったようにも見受けられる。
'93年のWu-TangのデビューAlbumはRZA Produceだが、
'94年のGravediggazのデビューAlbumはPrince Paul Produceだった。
Gravediggazのコンセプト自体は完全にRZA主導の感が強いが、
実際のProductionとしては、既にProducerとして数々の実績を積んでいたPrince Paulを、
RZAが「立てた」のだろうと推測できる。
しかし、'97年のGravediggazの2枚目のAlbumでは状況は一変する。
Wu-Tang一派の大躍進によって、Gravediggazの2枚目のAlbumは完全にRZA主導のWu-Tangモノになり、
Prince Paulは'96年に単独でマイナーからAlbumをリリースし、
それを更に録り直して、'97年に、なんとそれをTommy Boyからリリースする。
言い換えるとPrince Paulは、Gravediggazの2枚目のAlbumにはほとんど参加していないと思われ、
'97年には、Gravediggazは既にグループとして機能していなかったように見える。
Gravediggazの2枚目のAlbumが、デビューAlbumに比べ作りが粗い印象がするのは、
それがRZA主導による、単なるWu-Tang一派的な「やっつけ仕事」だったからだろう。
同じ'97年にはWu-Tangの2枚目のAlbum、"Wu-Tang Forever"がなんと4枚組でリリースされているんだから、
どう考えてもRZAの軸足はWu-Tang側に在ったとしか思えない。
そうした背景を考えれば、そもそも'97年に、Gravediggazが2枚目のAlbumをリリースした事自体、
「あり得ない」くらいの出来事だったように思う。
その後RZAはWu-Tang一派にフォーカスしてゆき、当然の結果としてGravediggazは消滅すると思われた。
がっ、今度は「置き去りにされた」PoeticとFruitkwanの2人が、Wu-Tang一派の「2軍」的なMCも起用し、
しかもPrince Paulまでチョロっと「顔見せ」させて、
'01年にマイナーから「3枚目」のGravediggazのAlbumをリリースするのだ！
その'01年にPoeticはガンで急逝してしまうが、1人残ったFruitkwanは、
'04年にも再度Gravediggaz名義でAlbumを出している。
中身と実態は、最初と最後では全く異質のモノだが、
事実だけに目をやれば、結局Gravediggazというグループは、'94年から'04年までなんと10年も継続し、
計4枚のAlbumを残してきた事になるワケだ。
こんな特異で数奇な道を歩んだグループは、他にはちょっと例が無いように思うナ。
【仕様はDiscogsでチェック】
https://www.discogs.com/release/103385
【音はYouTubeでチェック】
https://www.youtube.com/watch?v=gE-5Q_xyiwo (Diary Of A Madman PV)
https://www.youtube.com/watch?v=C07_qaKhkPc (Constant Elevation)
